よくある質問

ICT整備といっても何をどの程度整備したらよいのかわかりません。

「学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議」(文部科学省:平成29年7月)の「最終まとめ」に第3期教育振興基本計画(平成30~34年度)を見越した整備案が提案されています。そこには,まず,「ICT環境整備自体を目的化するのではなく,学校教育を通じて,どのような力を児童生徒に身に付けさせたいのかという観点から検討する必要がある」更に,中教審答申,新学習指導要領には「『情報活用能力の育成』については言語能力等と並ぶ形で,教科を越えた全ての学習の基盤として育まれ活用される資質・能力として明記された」と記されています。それらを前提にして,以下のような具体的な整備案が出されています。

  1. 大型提示装置
    • 普通教室(特別支援学級関係室等を含む)及び特別教室への常設
      *この「最終まとめ」で特に注目されることは,普通教室だけでなく特別教室が整備対象になったこと。
  2. 実物投影装置
    • 普通教室(特別支援学級関係室等を含む)及び特別教室への常設(小学校及び特別支援学校)
    • 中学校,高等学校では,学習者用コンピュータ,指導者用コンピュータと大型提示装置を組み合わせた活用で実物投影器の機能を代替することも可能
  3. 学習者用コンピュータ(児童生徒用)
    • 授業展開に応じて必要な時に「1人1台環境」を可能とする環境の実現(全学校種)
    • 3クラスに1クラス分程度の学習者用コンピュータの配置を想定(最終的には「1人1台」が望ましいが,当面,各クラス1日1授業分程度を目安とする)
  4. 指導者用コンピュータ(教員用)
    • 授業を担任する教員それぞれに1台
  5. 充電保管庫
    • 学習者用コンピュータの充電・保管のために活用することを想定(全学校種)
      ※タブレット等のメンテナンス時などを含めた電源容量についても配慮してあることが望ましい。
  6. ネットワーク無線LAN及び有線LAN
    • 普通教室(特別支援学級関係室等を含む)及び特別教室における無線LAN環境の整備(全学校種)
    • 特別教室(コンピュータ教室)における有線LAN環境の整備(全学校種)
  7. 学習用ツール
    • 各教科等の学習活動に共通で必要なソフトウェア(いわゆる学習用ツール)の整備(全学校種)
  8. 学習用サーバー
    • 各学校1台分のサーバーの設置(全学校種)
    • 教育委員会による一元管理(パブリッククラウドを含む)が望ましい
  9. 校務用コンピュータ
    • 教員1人1台環境の整備(全学校種)
  10. ネットワーク有線LAN
    • 成績処理等の校務を行う職員室(校長室及び事務室を含む)及び保健室等への有線LAN環境の整備(全学校種)
  11. ソフトウェア
    • 統合型校務支援システム(全学校種)
    • セキュリティソフト(全学校種)

これらを参考にそれぞれの自治体に沿った形で整備すると良いと思われます。
「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」令和元年6月25日では,令和元年度中に「安価な環境整備に向けた具体的モデルの提示」がなされるとされています。この仕様例が一つの最低限のスペックを示すと思われます。

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