よくある質問

プログラミング教育は,情報活用能力を育成する教育の一つであり、小・中・高等学校全ての段階において、学校活動全体を通じてその教育を行うことになっています。しかし、現時点では、各学校段階で,特に次の教科での実施が考えられます。

小学校では,核となる教科を特に示していませんが、算数,理科,総合的な学習の時間については,指導要領における各教科等の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」に明記されています。そのことから、令和2年から用いられる教科書のほとんどに、活動内容が記載されていました。そのため,まずこれらの教科でプログラミングの授業を行うよう、カリキュラムマネジメントを行うと良いでしょう。また、その他の教科や教育課程内における授業の事例についても、「小学校プログラミング教育の手引(第二版)」をはじめ、未来の学びコンソーシアムによる「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル(https://miraino-manabi.jp/)」などに詳しく掲載されていますので,参考にしてください。
また、文部科学省は小学校プログラミング教育の手引(第二版)において、教育課程内において、各教科等とは別にプログラミングの体験を取り入れ、児童がプログラミングを体験しながら、プログラミング的思考を身に付けるための学習活動を行う必要があると述べています。このことから、各小学校におけるカリキュラムマネジメントを柔軟に行う中で、各教科等の枠に縛られないプログラミングの体験を積極的に設けることを推奨しています。(この手引では「小学校段階のプログラミングに関する学習活動の分類」が示されているのですが、世間一般的に、A、B、Cの順に序列があるようにとらえられている傾向があり、それに序列はない、とする文部科学省の本意とは違って伝わっているところもあるようです)

中学校では,全ての教科等での実施を原則とはしていますが、その中でも技術・家庭科 技術分野(以下,技術分野)において実施することが必須になっています。内容についても、小学校での必修化を鑑み、平成20年公示の学習指導要領よりも高度化、充実化されています。具体的には、新たに「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング」を学ぶことや、「計測・制御」のプログラミングにおいてはシステム全体を設計し制作することが求められています。現状の題材内容や教材では、その充実化に対応できない恐れもあります。「Q4 プログラミング教育を各学校が進めるために,どんな環境整備をすれば良いのですか。」なども参考に、各自治体の整備状況を確認し、授業内容について見直しをする必要があります。近年の、各地区の技術・家庭科研究大会では、これらの題材内容についての提案も頻繁に行われていますので、情報を収集したうえで、令和3年度の全面実施の準備を行った方が良いでしょう。
さらに、技術分野におけるプログラミングの授業は2、3年生での実施を想定していることや、その時間数を考慮した場合、今後、その他の教科でのプログラミングの体験の実施の検討も必要になってくるかもしれません。

高等学校でも,全ての教科等での実施を原則とはしています。しかし、基本的な指導内容にプログラミングを含む教科「情報Ⅰ」が必修になり、選択科目として「情報Ⅱ」でも指導することが規定されました。
必修である情報Ⅰでは、内容項目の「(3)コンピュータとプログラミング」において、問題解決にコンピュータや外部装置を活用する活動を通して情報の科学的な見方・考え方を働かせて,コンピュータの仕組みとコンピュータでの情報の内部表現,計算に関する限界などを理解し,アルゴリズムを表現しプログラミングによってコンピュータや情報通信ネットワークの機能を使う方法や技能を身に付けるようにし,モデル化やシミュレーションなどの目的に応じてコンピュータの能力を引き出す力と共に,こうした活動を通して,問題解決にコンピュータを積極的に活用しようとする態度,結果を振り返って改善しようとする態度,生活の中で使われているプログラムを見いだして改善しようとすることなどを通じて情報社会に主体的に参画しようとする態度の育成をねらっています。
高等学校も、小学校と同じように学習指導要領の改訂に伴って必修化されることから、文部科学省が高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1416756.htm)を公開し、その準備をするよう促しています。

プログラミング教育は,どの教科でやらなければならないのですか。