よくある質問

国から2017年12月に、「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018(平成30)~2022年度)」が出されました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1402835.htm
この内容通りに、全国のどの自治体でも環境整備が進むことが望ましいのでしょうが、予算等の関係で、早急にその状況を目指すことが難しい自治体もある事と思います。
そこで、次のような3つの視点でから現実的な環境整備に取り組むことを提案します。

1 現状の環境でできる学校の情報化の取組を行う
2 現状の環境で変える部分を探し、適切な機器に変更する
3 資料や根拠を元に環境整備のための交渉を行う

1 現状の環境でできる学校の情報化の取組を行う

現状の環境であっても、児童生徒の情報活用能力の育成や、教員のICT活用能力の育成、校務の情報化で進められることがないか探してみましょう。
例えば、プログラミング教育については、PCルームが整備されていればプログラミングの体験が可能です。その学習とアンプラグドコンピューティングの教材などと連携したカリキュラムを用意し、自治体のプログラミング教育を推進することもできるでしょう。
また、情報モラル教育も、教育委員会側から共通の取り組みを示すなどが可能でしょう。
その他、現状の環境での効果的なICT活用の研究や、校務で情報機器を活用する際のルールの検討など、現状の環境であっても知恵を絞って教育の情報化を進めることはとても大切です。

2 現状の環境で変える部分を探す

予算を増やすことが難しい場合は、現状の予算内でどの様な機器やソフトウェアを導入したら良いのかを見直してみましょう。
例えば、リースで機器導入をしている自治体は、更新の際に、PC教室のソフトウェア等を見直しましょう。導入しているソフトウェアの中には、学校で実際に使われていないものがないでしょうか。その様な活用率の低いソフトウェアを調査して更新対象から外し、代わりのものを導入することも考えられるでしょう。プログラミング教育で活用するロボット教材等を、ソフトウェアという名目で導入する、なんてことも可能なのではないでしょうか。
その他、大型テレビでの「大型提示装置」や「電子黒板」等を導入している自治体であれば、入れ替えの際にプロジェクタに代替することを検討しても良いでしょう。そのことで生まれた前回導入時との差額を、教室用のコンピュータや実物投影機等に回し、セットで整備することもできるかもしれません。学校放送設備の状況を考慮しないといけないかもしれませんが、これも、地域の利用状況を調査した上で検討を行うことは可能だと考えます。
なお、近年タブレットPCの整備のために、PCルームのコンピュータをタブレットPCに置き換える自治体もみられますが、児童生徒の学習状況の実態と良く比較した上で検討した方が良いでしょう。
理由は大きく2つあります。まず、文部科学省はPCルームとは別に、設置場所を限定しない可動式コンピュータの整備を示していることです。両者は、目的の学習活動や求める機能が違うということです。
次に、新学習指導要領ではキーボード操作のリテラシーが求められている点です。例えば小学校3年生の国語では、ローマ字の学習についてキーボードを用いて行うことが示されていますし、プログラミング教育についても、個々に十分なプログラミングの体験を行わせるためには、キーボードとマウスを用いた活動が望ましい場面も多いでしょう。タブレットPCへ置き換えは、このことが十分に行うことができない状況を生みだしかねません。
何はともあれ、整備している機器の活用状況を詳細に調査し、根拠を持って、目的の機器等に置き換えてはいかがでしょうか。

3 資料や根拠を元に環境整備のための交渉を行う

やはり、どうにかして国の示した指針に近づくような新たな整備を行いたいところです。
これについては、財源をどうするかが、どの自治体でも大きな問題になると思います。そして、法令に定められているのか、その法令は義務なのか、努力義務なのかなど、国の出している情報を拠り所に、まずは財源を管理する部署と交渉することでしょう。冒頭に示した、文部科学省の「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018(平成30)~2022年度)が、まずは参考になるでしょう。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1402835.htm
また、周囲の自治体の様子と比較して、数字を示して交渉する方法もあるでしょう。次の文部科学省のページでは、学校における教育の情報化の実態調査に加えて、先ほどの環境整備計画のリンクが載っています。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1399902.htm
併せて、環境整備がどのような良い効果をもたらすのか、数字で示す資料を用意すると良いでしょう。全国学力・学習状況調査と関連させたり、可能であれば教育委員会主導で研究校を設定し、そこでの成果の数字を示せると良いはずです。

いずれにせよ、自治体の状況を踏まえて取組を進めたり、機器等を入れ替えたり、予算を獲得していくためには、何カ年かの長期的な情報教育の推進と機器整備を合わせた計画を作成した方が良いでしょう。自治体によっては、教育の情報化について、教育委員会の施策に位置付けて計画立てているところもありますので参考にしてみてください。
(相模原市の教育の情報化計画例)
http://www.sagamihara-kng.ed.jp/jouhou-han/kyouikunojouhouka/kyouikunojouhouka.pdf

国の方針とは別に自治体規模にあった現実的な環境整備について